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労働どっとネット > 労働基準法の解説 > 残業時間・残業代 > 時間外労働時間・残業代(割増賃金)

残業時間(時間外労働)・残業代(割増賃金)について

Step1 法定労働時間・法内残業・時間外労働の関係

残業時間・時間外労働を把握し、残業代を計算する大前提として、「労働時間」をしっかりと理解しておく必要があります。待機時間や通勤など移動時間、作業準備時間など、残業代として請求できる「残業時間(労働時間)」に該当するのかどうかの判断基準も理解しておく必要があります。

まずは、「残業時間」をみてみましょう。

たとえば、会社の就業規則などで決められた所定労働時間が、9時〜17時までだった場合、以下のようになります。

9:00 法定労働時間
(8時間)
(9:00〜18:00)
所定労働時間
(9:00〜17:00)
17:00 法内残業
(17:00〜18:00)
残業代支払
(割増0%)
左記3つの時間を総称して、
残業時間
(17:00〜)
18:00 時間外労働
(8時間を超える)
(18:00〜)
通常の残業時間
(18:00〜)
残業代支払
(割増25%)
22:00 深夜残業
(22:00〜)
残業代支払
(割増)35%

日によって、労働時間が異なるばあいは、月の総労働時間を算出し、月の所定労働時間を引くことによって、残業時間を算出することができます。

各々の時間帯の説明をします。

「労働時間」の定義

会社(使用者)の指揮・監督下にあって、労働を提供している時間です。(休憩時間・通勤時間は含みません)

労働時間とみなされるかどうかの判断の詳細は、下記労働時間についてのページへ。

 一般通勤時間、寄り道時間などは労働時間に含まれるか?
 出張は、みなし所定労働時間
 任意の集合場所利用したときは?
 現場へ直行直帰の通勤時間と労働時間の判断基準

 作業準備・後始末の一般見解と労働時間の判断基準
 始業前の清掃・お茶くみなどの判断基準
 作業準備時間と労働時間の判断基準

「法定労働時間」とは?

労働基準法で定められた労働時間の上限のことで、1日8時間、1週間40時間です。
これ以上働くと、割増残業代の支払が義務になります。
法廷労働時間について詳しくは、労働時間についてのページへ

「残業時間」とは?

会社が定めた所定労働時間を超えて働くこと。
所定労働時間というのは、会社が法定労働時間内で決める労働時間のことです。

上の図でいうと、「法内残業」+「通常の残業時間」+「深夜残業」となります。
残業代の支払がなされます。

「法内残業」

1日8時間以内の法定労働時間内で行われる残業です。残業代として、通常賃金の支払はしなければなりませんが、割増賃金を支払うかどうかは、会社が決めます。割増は義務ではありません。

「時間外労働」

法定労働時間を超える残業。割増賃金を支払う必要があります。

「通常の残業時間」+「深夜残業」になります。

※満18歳未満の人の時間外労働は認められていません

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Step2 時間外(残業)割増率と割増賃金額(残業代)計算

割増賃金=1時間あたりの通常賃金×時間外労働などの時間数×割増率

  • 1時間あたりの通常賃金とは
    (1ヶ月の賃金÷1ヶ月の所定労働時間)で計算されます。このとき、1ヶ月の賃金には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、臨時に支払われた賃金、1ヶ月を超えるごとに支払われる賃金(賞与など)住宅手当は、含まれません。
  • 割増率について
  • 時間外労働 25%以上 8時間/1日以上の労働時間
    50%以上 1ヶ月間の残業時間が60時間を超えた場合(※1)(※2)(中小企業は猶予措置あり>>22年労基法改正
    深夜労働 25%以上 午後10時〜翌午前5時
    休日労働 35%以上 法定休日(法律で定められた休日)
    ※「休暇」と、「休日」は、違います。 「休暇」の時間外割増はつきません
    休日+時間外労働 35%以上 休日労働は特殊な時間外労働と考えられ、8時間を超えても時間外労働の25%は加算されません。
    時間外+深夜労働 50%以上 時間外(25%)+深夜(25%)
    休日+深夜労働 60%以上 休日(35%)+深夜(25%)

    ※1.ただし、中小企業に関しては、この制度が「猶予」されています。中小企業に該当するかどうかは  資本金の額、または、従業員数で判断されます。>>22年労基法改正

    ※2.60時間を超えた部分の残業手当は、50%以上の割増率で支払わなければなりません。「増えた部分」の残業代(25%)については、これに相当する休暇を与えれば、支払いに代えることができます(平成22年4月労働基準法改正から)。>>22年労基法改正

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Step3 残業代カット〜1時間未満の残業

毎日行なわれる、15分や30分程度の残業時間を、会社によっては日々切り捨てさせている場合があります。

毎日の1時間未満の残業時間は、1ヶ月分を累積して計算します。1か月分合計した労働時間の端数(30分未満)は切捨てすることができますが、日々切り捨てさせるのは、違法になります。(但し、30分以上は切り上げる)

行政通達(昭63・3・14基発第150号)

時間外労働および休日労働、深夜労働の1ヵ月単位の合計について、1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げること。

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4 残業代カット〜年俸制の残業

年俸制の人にも残業代を支払う必要はあります。所定労働時間を超える残業時間については、年俸制でも残業代は出ますので、計算しましょう。

>>年俸制の労働時間、残業代計算

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5 残業代カット〜フレックス制・みなし労働時間制の残業

フレックス制の場合でも、みなし労働時間制の場合でも、所定労働時間以上働いた場合は、残業代を請求することができます。

これらの制度を利用しているからという理由で残業代を一切支払わない会社もありますが、本当は残業代の支払義務があります。

>>フレックス制・変形労働時間制

>>みなし労働時間制・裁量労働時間制

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6 残業代カット〜残業代込みの月給

残業代込みの月給を設定されている場合、確認しなければならないことが2点あります。

1.内包されている残業代、残業時間から逆算して、基本の給与となる部分が、最低賃金法に違反していないこと。

2.36協定の有効期限によって、残業できる上限時間が異なります。その上限時間を大幅に超えることを想定した残業代込みの給与ではないか。特に1年の有効期限の場合は年間360時間が残業時間の上限になっているため、平均では30時間が上限残業時間になります。ですから、30時間以上分の残業代が込みになっている場合、注意が必要です。

   >>36協定と残業代込み給与の注意点

上記1に違反している場合、再計算して残業代請求をすることができます。2の、上限時間以上に残業させられている場合は、そもそも違法な状態にあります。

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7 残業代カット〜営業職の残業

営業職は、時間管理が難しいという理由だけで、少ない営業手当のみで残業代はつかないと思い込まされている場合があります。

最近は、携帯電話・スマホなどで営業職の管理もしやすくなってきています。みなし労働時間で管理するとしても、残業代を手当以上に請求できる可能性はありますので、日報等自分でも管理しましょう。

>>みなし労働時間制・裁量労働時間制

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8 残業代カット〜管理職の残業

管理職に関しても、管理職手当の支給だけで、残業代を全く支払わないという会社がありますが、まず、本当に「管理職」と呼べるのか?そこから検証し、「名ばかり管理職」であれば、残業代は正当に支払われるべきですので、請求することができます。

>>名ばかり管理職とは

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9 残業代カット〜自宅作業の残業

自宅に持ち帰って仕事をした場合、会社はその作業時間や内容を正確に把握することはできませんが、自宅作業を上司から命令されて行なった場合は、残業代を請求することができます。

自分の判断だけで持ち帰り、仕事をした場合は、残業時間にカウントされません。

残業代を請求するためには、「上司の指示」や「上司の許可」があったことを証明しなければなりませんから、なるべく、メールで自宅作業の指示や許可をもらって、そのメールを保存しておきましょう。

EX>>在宅勤務者の残業について

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10 残業代カット〜タイムカード打刻後の残業

定時になると、タイムカードを打刻することを命じられ、打刻後も残業をさせられた場合、もちろん残業代請求できます。

打刻を強要すること自体違法なことです。会社に時間管理の証拠書類はありませんから、自分で帰宅時間を記録しておく必要があります。記録の方法としては、以下のようなものがあります。

  1. 手帳に退社時間を記録(メモ)する
  2. 会社から退社するときに、個人用メールアドレスに退社する旨のメール送信(なるべく、会社のメールから送信する。)

また、できれば、残業時間内に行なった作業内容や、残業命令をした上司の名なども書き添えておきましょう。

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