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派遣社員の権利・派遣元・派遣先の関係と義務

派遣社員の権利と義務。派遣元と派遣先の義務は?
もし、賃金未払いがあったらどうする?突然解雇されたら?

派遣社員の立場だと、訴えたいことがあっても、派遣元(登録した会社)に言えばいいのか?派遣先(働いている会社)に言えばいいのか?わからないことが多いですよね?派遣社員といえども、正社員と同じように、労働基準法が適用されます。そして、労働者派遣法の適用もあります。


Step1 派遣労働とは?

派遣労働とは,派遣会社「派遣元」と雇用関係にある労働者「派遣社員」が,受け入れ会社「派遣先」の指揮命令の下で働くことをいいます。

  1. 「派遣元」⇔「派遣社員」 : 雇用契約
  2. 「派遣先」⇒「派遣社員」 : 業務上の指揮命令
  3. 「派遣元」⇔「派遣先」  : 労働者派遣契約

「派遣社員」は「派遣」の会社と雇用関係にありません。雇用関係がなければ労働法は適用されないので、派遣社員を保護するために「労働者派遣法」という法律が制定されています。

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Step2 労働者派遣法

労働者派遣法の正式名称は、「労働者派遣事業の適正な運用の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」といいます。労働者派遣を事業として行う派遣会社「派遣元」、労働者派遣を受ける企業「派遣先」への適用事項が記されています

以前、派遣は26業務に限定されていました。しかし、平成11年の法改正で、禁止されている一部の業務(建設、警備、製造、医療など)以外は、自由に派遣できるようになりました。

さらに、平成15年の改正では、旧26業務の派遣期間に対する制限はなくなり、それ以外の業務も、1年に制限されていた派遣期間が最高3年まで延長することが可能になりました。また、製造業務への派遣も認められることとなり、派遣に対する規制の自由化が進んでいます。

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Step3 「派遣元」の義務と責任

派遣元は、あなたと雇用契約を結んだ会社です。あなたに賃金を払ったり、派遣先との調整をします。

義務と責任

  1. 雇用契約は「派遣元」と「派遣社員」の間で締結します。派遣元と派遣社員は雇用関係にあるので、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法については、原則として派遣元が責任を負います。派遣社員への給与は、派遣元が支払います。また、派遣元は、社会保険・労働保険に派遣社員を加入させなければなりません(義務)
    • (社会保険(厚生年金・健康保険)加入の適用除外とされる条件)
      年収130万円以下(60歳以上は180万円以下)
      勤務時間や日数が通常の4分の3以下の者
      2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
      臨時的事業に使用される者 など
    • (労働保険(労災保険・雇用保険)について)
      従業員が1名でもいれば加入させなければなりません。(ごく一部の事業を除く)
      派遣元が加入の手続きをしていない場合でも労災保険はおります。(届出遅滞の扱いで)
  2. 派遣社員の希望と能力に応じた派遣先を紹介し、派遣先での適正な就業が確保された労働者派遣契約を派遣先との間に締結します。派遣先の定める労働者派遣契約が、労働法に違反するような場合は、派遣元はその労働者派遣契約を締結してはなりません
  3. 派遣社員の個人情報を適正に管理しなければなりません。(派遣法24条の3)
  4. 派遣社員からのトラブルに対処するための派遣元責任者を選任しなければなりません。派遣先責任者は、派遣元管理台帳の作成、派遣先との対応などを行います。トラブルに対しては、派遣先と協力して問題解決に努めなくてはなりません。また、不満や苦情を申し立てた派遣社員に対して、不利益な扱いをすることは禁止されています(派遣元指針)。

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Step4 「派遣先」の義務と責任

派遣先からは、仕事に関する指揮命令が下されます。そのため、派遣先にも、労働者へ対する義務と責任が生じます

義務と責任

  1. 業務上の指揮命令は「派遣先」が「派遣社員」に対して行います。ただし、派遣先は、派遣社員が派遣元と締結している雇用契約の内容を超えて就業させることはできません。もし、契約内容を超えるような就業をさせる時は、派遣社員の同意を得て、あらかじめ延長できる労働時間や就業できる日を決めて派遣契約書および労働条件明示書に記載する必要があります。
  2. 労働関係法については、原則として派遣元が責任を負いますが、現実の労務提供に密接な関連のある事項は使用者として派遣先の責任とされます(労働時間、休憩、休日(有給休暇は派遣元)、安全衛生面での管理、セクハラの防止等)。ただし、派遣先が派遣社員に時間外労働や休日労働を行わせるためには、派遣契約書等にあらかじめ時間外労働に対する記述があること、さらに、派遣元で適正な36協定の締結・届出をすることが必要です。
  3. 派遣先は、派遣契約の際に、派遣される労働者を特定することを目的とした行為をしないように努めなければなりません(派遣法26条の7)。派遣される労働者に対して、事前に面接をすること、年齢・性別などの条件をつけてはいけません(派遣先指針)。
  4. 適正な社会保険・労働保険に加入している派遣社員を受け入れるべきだとされています。もし、未加入であった場合は、すみやかに派遣元で加入するように働きかけなければなりません。また、派遣先で労災事故が発生した場合は、派遣先は労働基準監督署へ報告書を提出しなければなりません。
  5. 派遣社員からのトラブルに対処するための派遣先責任者を選任しなければなりません(派遣法41条)。派遣先責任者は、派遣先管理台帳の作成、労働条件の管理、および派遣元との対応などを行います。トラブルに対しては、派遣元と協力して問題解決に努めなくてはなりません(派遣法40条)。また、不満や苦情を申し立てた派遣社員に対して、不利益な扱いをすることは禁止されています。
  6. 契約期間中に正当な理由無く派遣契約を解約することはできません(派遣法27条)。派遣先都合で契約解除する場合には、派遣先は、関連企業などから次の仕事を紹介するか、また、どうしても次の仕事が見つからない場合、その30日前までに解雇を予告するか、解雇予告手当てとして30日分以上の賃金を支払うことが必要です(派遣先指針)。
    派遣先が派遣元に支払い、賃金として、派遣元から受け取ります。
  7. 派遣期間に制限のある業務で、1年の派遣期間終了後、引き続き派遣社員の受入れが必要な場合、または新たに労働者を雇用する場合には、派遣されていた派遣社員の希望があれば、派遣先はその者を雇用しなければはなりません(派遣法40条の3)。また、派遣期間に制限のない業務で、3年を超えて派遣を受け入れていて、その業務に新たに労働者を雇用する場合には、派遣先はその派遣社員に対して雇用の申し込みをしなければはなりません(派遣法40条の5)。このような場合に、派遣元は、派遣社員が派遣先へ雇用されることを妨げることはできません。

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Step5 派遣社員がトラブルにあったら?

派遣労働は、雇用主と指揮命令者が異なるという関係であるため、トラブルも発生しがちです。派遣元と派遣先との間で責任があいまいになることにより、さまざまな問題が発生することもあります。トラブルが発生した場合には、派遣元・派遣先の派遣責任者に申し立て、派遣元と派遣先の双方で協力しあって問題の解決をしてもらうことになります。まず、要求は、雇用者である、派遣元へ内容証明郵便など、書面で報告・要求しましょう。。

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おまけ 紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に、派遣社員はその派遣先に就業することを前提としている派遣です。派遣期間終了後、派遣先・派遣社員の双方の合意によって、雇用契約を締結します。そのため、派遣先・派遣社員のどちらか、あるいは両方に異存があるときは、雇用契約は結ばれません。派遣契約期間中に、派遣先は社員採用に相応しいかどうか、派遣社員は派遣先と仕事が自分に合うかどうかを、それぞれ見極めることができます。また、派遣期間中に派遣先は内定を決定することもできます。

  • (派遣と紹介予定派遣の違い)
    紹介予定派遣では、その後の就業を前提としているため、派遣先は、通常の派遣で禁止されている、事前面接および履歴書の送付を行うことができます。ただし、性別・年齢などを指定することは紹介予定派遣であってもできません。 紹介予定派遣の場合、派遣期間は6ヶ月以内です。また、紹介予定派遣期間中に生じたトラブルに対しては、派遣元責任者に申し出ることになっています。
  • (試用期間と紹介予定派遣)
    一般の雇用契約の場合、14日を超えて使用する者(試用期間中)を解雇するには、解雇予告制度の適用がされます。それに対して、紹介予定派遣は最長6ヶ月の派遣期間中に、その適性や能力を見極めてから、正式に雇用するかどうかが決められます。また、派遣就業期間が試用期間とみなされるため、入社後あらためて試用期間を設けられることはありません。

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